アメリカが狙うウクライナのレアアースと戦略鉱物 – その理由とは?

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ウクライナは、豊富なレアアース(希土類元素)や戦略鉱物の宝庫であり、アメリカはこれらを確保するために注目しています。特に、軍事技術やEV(電気自動車)、再生可能エネルギー産業で不可欠な鉱物がウクライナに埋蔵されているため、中国やロシアへの依存を減らす戦略の一環として重要視されています。

以下のレアアースと鉱物が、アメリカにとって戦略的に重要です。

アメリカが求めるレアアース

1. ネオジム(Nd) & ジスプロシウム(Dy)

用途:強力な永久磁石(ネオジム磁石)として、F-35戦闘機、潜水艦、EV(電気自動車)、風力発電に不可欠。
理由:アメリカは中国への依存を減らし、安定供給を確保したい。

2. イットリウム(Y)

用途:軍事用レーザー、レーダー、光ファイバー。
理由:ミサイル防衛システムや軍事通信に必要。

3. ランタン(La) & セリウム(Ce)

用途:触媒(自動車排ガス制御)、ナイトビジョン、ガラス製造。
理由:軍事・EV技術の発展に不可欠。
レアアース以外の重要鉱物
ウクライナには、アメリカが求める以下の鉱物も豊富に埋蔵されています。

4. チタン(Ti)

用途:F-35戦闘機、宇宙開発、航空機。
理由:アメリカはこれまでロシア産チタンを使用していたが、ウクライナを代替供給源にしたい。

5. リチウム(Li)

用途:EVバッテリー、エネルギー貯蔵、半導体。
理由:EV市場拡大に伴い、安定供給が必要。

6. コバルト(Co) & ニッケル(Ni)

用途:EVバッテリー、航空宇宙、軍事技術。
理由:ロシア産供給の制限により、新たな供給元を確保する必要がある。

ウクライナのレアアースを求める理由

1.対中国・対ロシア戦略

•中国は世界のレアアースの85%以上を供給。
•ロシアはチタン、ニッケル、コバルトの主要供給国。
•アメリカは両国への依存を減らし、ウクライナを新たな供給源にしたい。

2.軍事産業の安定

•F-35戦闘機、潜水艦、ミサイル防衛システムに必要な素材を確保するため。

3.EV・再生可能エネルギー市場の成長

•アメリカはEV市場拡大とグリーンエネルギー戦略のために、リチウムやネオジムを必要としている。

結論

ウクライナは、アメリカにとってレアアースや戦略鉱物の新たな供給源となり得る重要な国です。特に、中国とロシアへの依存を減らすため、ネオジム、ジスプロシウム、イットリウム、チタン、リチウム、コバルトなどが求められています。今後、ウクライナの資源開発を巡る地政学的な動きに注目が集まるでしょう。

次の記事では、具体的にどの銘柄がこの恩恵を受けると考えられるのかについて解説しますので、合わせてご覧ください。